
夜中の授乳が、もう体力的にも限界…。早くやめたい。でも、あんなに幸せそうにおっぱいを飲む顔が見られなくなると思うと、寂しくて、涙が出そうになる…。
その、引き裂かれそうな気持ち、痛いほど分かります。
「やめたい」と思う自分と、「やめたくない」と思う自分。その両方が、あなたの偽らざる本心です。
卒乳・断乳は、単に授乳をやめるという行為ではありません。それは、赤ちゃんとの特別な一体感で満たされていた、かけがえのない時間に別れを告げる、甘くて、少しだけ切ない「お別れの儀式」なのです。
この記事は、そんなあなたの揺れる心に寄り添い、親子にとって一番傷つかない、優しいお別れの方法を紹介します。
「卒乳」と「断乳」、似ているようで、全然違う。
まず、言葉の違いを知るだけで、少し気持ちが楽になるかもしれません。
- 卒乳:主役は、赤ちゃん。赤ちゃん自身が成長し、自然とおっぱいを欲しがらなくなり、授乳を「卒業」していくこと。
- 断乳:主役は、ママ。ママの側の事情(仕事復帰、次の妊娠、体調など)で、計画的に授乳をやめること。
どちらが優れていて、どちらが劣っているのでもありません。どちらも、親子にとって大切な選択です。一番良くないのは、ママが罪悪感を抱えたまま、決断することです。
いつがいい?やめどきを考える「3つのサイン」
「周りがやめたから」という理由で始める必要はありません。あなたと、あなたの赤ちゃんの「今」を見つめてみましょう。
赤ちゃんのサイン
- □ ご飯をしっかり3食、よく食べるようになった
- □ コップやストローで、上手に水分補給ができる
- □ おっぱい以外でも、安心して眠れるようになってきた
ママのサイン
- □ 授乳が、幸せな時間よりも、辛いと感じることが増えた
- □ 「自分の時間がほしい」「夜、まとめて眠りたい」と、心から思う
- □ 仕事復帰や、次の妊娠を考えている
これらのサインが揃っていなくても、ママ自身が「もう、充分やりきった。やめよう」と、心から思えた時が、あなたの親子にとって最高のタイミングです。
【実践編】どうやって進める?焦らない、4つのステップ
「今日からおっぱい、おしまい!」といきなり宣言するのは、親子ともに辛いもの。時間をかけて、少しずつ進めていきましょう。
- まずは、日中の授乳から減らす
日中は、公園で遊んだり、おやつを食べたり、楽しいことで気を紛らわしやすい時間帯。ここから少しずつ回数を減らしていきます。 - 次に、寝る前の授乳をなくす(最大の難関!)
ここが一番の頑張りどころ。パパに寝かしつけを代わってもらう、絵本を読む、子守唄をうたうなど、おっぱいに代わる新しい「入眠儀式」を作りましょう。 - 最後に、夜中の授乳をなくす
夜中に泣いても、すぐにおっぱいをあげるのではなく、まずは背中をトントンしたり、お茶を飲ませたりしてみましょう。 - 泣いても、おっぱい以外の方法で、全力で甘えさせる
おっぱいをやめるからといって、愛情が減るわけではありません。むしろ、これまで以上に、言葉で「大好きだよ」と伝え、ぎゅーっと抱きしめてあげてください。「おっぱいはなくても、ママの愛情は変わらないよ」と伝えることが、一番大切です。
ママの体が辛い!おっぱいの張りの乗り越え方
心が寂しいだけでなく、体も悲鳴をあげることがあります。無理は禁物です。
- 搾乳は、ガチガチに張って痛い時に、少し楽になる程度に。搾りすぎると、また母乳が作られてしまいます。
- 痛い時は、冷たいキャベツの葉や、冷えピタなどで冷やすと、楽になります。
- 痛みがひどい、しこりができる、熱が出るなどの場合は、迷わず母乳外来や助産院に相談してください。
【ベビすけからの卒業証書】

ママへ。
たくさんの愛情と、おいしいおっぱいを、今まで本当にありがとう。
僕はもう、おっぱいの魔法がなくても、ご飯をいっぱい食べて、一人で眠れるくらい、強くなったんだ。
これからは、ぎゅーって抱っこで、ママの愛情をいっぱいちょうだいね。
ママ、大好きだよ!
まとめ:卒乳は、親子の新たな始まりの合図です。
授乳という、特別な時間は終わるかもしれません。
でも、それは決して「終わり」ではありません。抱っこや、手をつなぐこと、言葉でのコミュニケーション、絵本の読み聞かせ…。親子の絆を深める方法は、これから、もっともっと豊かになっていきます。
よく頑張ったあなた自身と、大きく成長してくれた我が子を、思いっきり褒めてあげてください。そして、新しいステージへの扉を、笑顔で開けてくださいね。
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