
昨日まで、あんなに天使だったのに…。何を言っても「イヤ!」。スーパーの床でひっくり返って大絶叫…。もう、どうしたらいいの。周りの目も痛いし、こっちが泣きたい…。

こっちの理屈は全く通じないし、毎日が戦いだよな。自分の育て方が悪いのかって、正直へこむよ…。
その絶望感、痛いほど分かります。
育児における最初の、そして最大の壁とも言われる「イヤイヤ期」。それは、親の理性と忍耐力を、容赦無く削り取っていきます。
でも、どうか自分を責めないでください。これは、あなたの子育てが間違っているからではありません。むしろ逆。あなたの愛情をたっぷり受けて、子どもが「自分」という存在に目覚めた、素晴らしい成長の証なのです。
この記事は、そんな嵐のような毎日を乗り切るための、そして、あなたのイライラを少しでも笑顔に変えるための、心の処方箋です。
そもそも「イヤイヤ期」は、なぜ起きるの?

僕、今ね、「自分でやりたい!」っていう気持ちが、火山みたいに噴火してるんだ!でも、まだ言葉でうまく言えないし、体も思うように動かないの。その「やりたいのに、できない!」っていうもどかしさで、かんしゃくを起こしちゃうんだ。ごめんね!
イヤイヤ期の正体は、「自我の芽生え」と「表現力の未熟さ」の、大きなギャップです。「こうしたい!」という強い意志が生まれてきたのに、それをうまく言葉で伝えたり、行動に移したりできない。そのもどかしさが、「イヤ!」という万能の言葉になって爆発しているのです。
【火に油を注ぐ】親が絶対やってはいけないNG対応ワースト3

良かれと思ってした対応が、子どものイヤイヤをさらに悪化させることがあります。
- 理詰めで説得しようとする:「こっちの服の方が暖かいでしょ!」という大人の正論は、感情の嵐の中にいる子どもには届きません。
- 感情的に怒鳴りつける:「いい加減にしなさい!」と親がヒートアップすると、子どもはさらにパニックに陥り、事態は悪化の一途をたどります。
- スマホやお菓子でその場をしのぐ:一時的には効果がありますが、これを繰り返すと「泣き叫べば、思い通りになる」と学習してしまいます。
【あなたの心が軽くなる】魔法の対処法5ステップ
子どもの感情を力でねじ伏せるのではなく、上手に受け流し、導いてあげるための5つのステップです。
Step1:まず、オウム返しで「共感」する
「そっか、赤い靴が良かったんだね。うんうん、イヤだったね」
どんなに理不尽な「イヤ!」でも、まずは否定せず、子どもの気持ちを言葉にして受け止めてあげましょう。これだけで、子どもの興奮はクールダウンし始めます。「ママは、僕の気持ちを分かってくれる」という安心感が、次のステップへの扉を開きます。
Step2:危険でなければ、少し「見守る」
かんしゃくを起こして泣き叫んでいる間、親は安全だけ確保して、少し離れた場所から冷静に見守ります。嵐が過ぎ去るのを、静かに待つのです。
Step3:「A or B?」で、子どもに「選ばせる」
自我が芽生えた子どもは、「自分で決めたい」のです。その気持ちを尊重してあげましょう。
×「歯を磨きなさい!」
○「ライオンさんの歯ブラシと、ゾウさんの歯ブラシ、どっちで磨く?」
Step4:全く違うことで、気をそらす
子どもの集中力は、まだ長く続きません。一つのことに固執している時は、全く違う楽しいことで、気分を切り替えてあげましょう。
「あ!大変!アンパンマンがベビすけ君を探してるよ!」
Step5:できた時に、全力で褒める!
イヤイヤが収まり、少しでも親の言うことを聞けたら、「できたね!すごい!ママ(パパ)嬉しいな!」と、少し大げさなくらい褒めてあげてください。成功体験が、次の「やってみよう」に繋がります。
まとめ:イヤイヤ期は、子どもの「大好き!」の裏返しです。

そっか。「イヤ!」って言えるのは、僕たちのことを信頼して、甘えてくれてる証拠なんだな。そう思ったら、少しだけ愛おしく思えてきたぞ。
子どもが安心して「イヤ!」という我儘を言えるのは、「何をしても、この人たちは僕を見捨てない」という、パパとママへの絶対的な信頼感があるからです。
この嵐のような時期は、永遠には続きません。必ず終わりが来ます。
そして、それは、あなたの子どもが「自分」という存在を確立し、また一つ大きく成長した証なのです。どうか、自分を責めずに、この尊い成長の過程を、チーム一丸となって乗り越えていってください。
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