
午前3時…。抱っこしてないと泣くし、置いたら起きるし…。もう何日、まともに寝てないんだろう。寝不足で、頭も体も限界…。泣きたいのは、こっちだよ…。
終わらない寝かしつけ。1時間おきの夜泣き。暗闇の中、たった一人で絶望的な気持ちになっていませんか。
「このままじゃ、おかしくなってしまう…」
そんなあなたの心を、そして赤ちゃんの眠りを救う**「希望の光」**、それが『ねんねトレーニング(ネントレ)』かもしれません。
この記事は、「ネントレは赤ちゃんが可哀想」という誤解を解き、あなたと赤ちゃんに合った、優しい「ねんねの習慣作り」を見つけるための、道しるべです。
【誤解です】ネントレは「赤ちゃんを泣きっぱなしにする」ことではありません
「ネントレ」と聞くと、スパルタ式に赤ちゃんを泣かせ続ける、厳しい訓練をイメージするかもしれません。でも、それは大きな誤解です。
ネントレの本当の目的は、「赤ちゃんが、親の助けがなくても、自分で自分を落ち着かせて、心地よく眠りにつくスキル(=セルフねんね)を、優しく教えてあげること」です。

僕、本当は一人で眠れるようになりたいんだ!でも、そのやり方が分からないだけなの。だから、パパとママに、優しく教えてほしいな。抱っこや授乳がなくても、安心して眠れるんだってことを。
いつから始めるのがベスト?焦りは禁物です
ネントレを始めるのに最適な時期は、一般的に生後4ヶ月~6ヶ月頃と言われています。その理由は、
- 昼と夜の区別がつき、睡眠リズムが整い始めるから
- 夜通し眠るための体力がついてくるから
です。もちろん個人差があるので、「〇ヶ月になったから始めなきゃ!」と焦る必要は全くありません。赤ちゃんの様子を見ながら、そして何より、親自身が「もう限界。始めたい」と思った時が、最高のタイミングです。
【わが家に合うのはどれ?】代表的なネントレの3つの方法

ネントレには様々な方法がありますが、ここでは代表的な3つをご紹介します。どれが優れているというわけではありません。あなたの家庭の考え方や、赤ちゃんの気質に合うものを選んでみてください。
① フェイドアウト(Fading)法【涙が最も少ない、超・初心者向け】
寝かしつけの際の親の関与を、少しずつ、少しずつ減らしていく方法です。時間はかかりますが、赤ちゃんの涙が最も少ない、とても優しいアプローチです。
(例)抱っこで寝かしつけ → 添い寝でトントン → 横に座って声かけ → 部屋の外から見守る
② ファーバー(Ferber)メソッド【段階的に見守る方法】
「おやすみ」と伝えて部屋を出た後、赤ちゃんが泣いてもすぐには駆けつけず、決まった時間、間隔をあけながら様子を見に行く方法です。「3分→5分→10分…」と、少しずつ時間を延ばしていきます。「放置」ではなく、「パパママは必ず戻ってくる」という安心感を教えながら、一人で眠る練習をします。
③ タイムメソッド(ジーナ式など)【生活リズム全体を整える方法】
朝起きる時間、授乳の時間、お昼寝の時間、夜寝る時間をきっちりと決め、1日のスケジュールを管理することで、自然と夜に眠れるように導く方法です。親の強い意志が必要ですが、ハマれば絶大な効果を発揮します。
すべての方法に共通する「成功への3つの鍵」

どんな方法を選ぶにせよ、成功のためには、以下の3つの土台が不可欠です。
1. 最高の「ねんね環境」を作る
- 光を遮断する:寝室は、昼間でも真っ暗な状態が理想。遮光カーテンを活用。
- 快適な温度・湿度:赤ちゃんが快適に感じる温度(20~22℃目安)と湿度(40~60%)を保つ。
- ホワイトノイズを活用:換気扇やテレビの砂嵐のような「ゴーッ」という音は、胎内音に似ていて赤ちゃんを安心させ、生活音をかき消してくれます。専用のマシンやアプリもおすすめ。
2. 魔法の「ねんねルーティン(入眠儀式)」を決める
毎日、寝る前に必ず同じ行動を繰り返すことで、赤ちゃんに「これから寝る時間だよ」という心の準備をさせてあげます。
(例)お風呂 → 保湿・着替え → 絵本を1冊読む → 「大好きだよ、おやすみ」と言って電気を消す
この一連の流れを、15~30分程度で行うのが理想です。
3. 夫婦で「絶対にやり遂げる」と覚悟を決める
これが一番重要かもしれません。「可哀想だから、今日はやっぱり抱っこしよう」という中途半端な対応が、赤ちゃんを一番混乱させます。「この方法でやると決めたら、最低3日は続ける」と、夫婦で固く意志を統一してください。
まとめ:赤ちゃんの「眠る力」を、信じてあげよう。

僕たちがやるべきことは、無理やり寝かしつけることじゃないんだな。この子が本来持っている「眠る力」を信じて、環境を整えて、そっと見守ってあげることなんだ。
赤ちゃんは、あなたが思っている以上に、一人で眠る力を持っています。
ネントレは、その力を信じて、少しだけ背中を押してあげる、愛情のこもったプロセスです。どの方法を選ぶにせよ、そこにあなたの愛情があれば、それがあなたの家庭にとっての正解です。
家族みんなが、朝までぐっすり眠れる日は、必ず来ます。どうか、一人で抱え込まないでください。
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