
あんなに大好きだったハンバーグを、今日は一口も食べない…。作ったものを床に投げられて、もう心が折れそう。毎日のごはんの時間が、憂鬱で仕方ない…。

「食べなさい!」って怒っても、余計に食べなくなるしな。食べ物で遊び始めた日には、こっちの忍耐力も限界だよ…。
その絶望感、痛いほど分かります。
離乳食を完走した達成感も束の間、幼児食は、好き嫌いや遊び食べという、全く質の異なる理不尽さで、私たちの心を打ちのめします。
でも、安心してください。それは、あなたの料理が美味しくないからでも、愛情が足りないからでもありません。子どもが、「自分」という存在を確立しようとしている、尊い成長のプロセスなのです。
この記事は、そんな戦場と化した食卓を、親子の笑顔あふれる時間に変えるための、心の処方箋です。
【ベビすけの食レポ】僕が、昨日と同じ釜の飯を食わねえワケ
そもそも、なぜ子どもは、昨日まで大好きだったものを、今日突然拒絶するのでしょうか。その謎を解明すべく、食の哲学者、ベビすけ氏にインタビューしました。

ちょ、待ってくださいよ、先輩。僕にも『気分』ってものがあるんスよ。昨日の僕はトマトの気分だったけど、今日の僕は断固としてブロッコリー!みたいな。あと、手でぐちゃぐちゃしてるの、あれは『この物体の硬さ、調査中』なんで。遊びじゃなくて、真剣な研究なんスよ!そこんとこ、よろしく!
幼児食期の「食べない」は、主に3体の怪獣の仕業です。
- 好き嫌い怪獣:「自分で選びたい!」という自我の芽生えの現れ。
- 遊び食べ怪獣:「これって何だろう?」という好奇心の爆発の現れ。
- ムラ食い怪獣:自分の満腹感が分かるようになってきた、成長の証。
【マインド編】まず、親が捨てるべき”3つの期待”

イライラを手放すために、まず、あなたの心の中にある、高すぎるハードルを、そっと手放しましょう。
- 栄養バランスを完璧にする、という期待
1日単位で一喜一憂するのはやめましょう。1週間単位で、肉・魚・野菜・炭水化物が、ざっくり摂れていれば、もう100点満点です。 - 毎食、完食してくれる、という期待
食べない時は、その子の「今」の適量ではない、というだけのこと。「ごちそうさま?」と聞いて、30分で切り上げましょう。 - きれいに食べてくれる、という期待
手づかみ食べや、食べこぼしは、子どもが「自分で食べたい」という意欲の証。汚されるのが嫌なら、床に新聞紙やレジャーシートを敷いて、親の心をガードしましょう。
【究極の時短術】”取り分け幼児食”のススメ
朗報:幼児食は、わざわざ別々に作る必要はありません。
大人の食事を作る過程で、**味付けをする前に**子どもの分を取り分ける。この「取り分け」スタイルなら、親の負担は半分以下になります。
【取り分けにおすすめのメニュー】
- カレー、シチュー
- 肉じゃが、筑前煮
- 麻婆豆腐、八宝菜
- ハンバーグ、ミートソース
大人は後から、香辛料や調味料を足せばOK。これなら、大人も子どもも、ほぼ同じメニューで、一緒に食卓を囲めます。
まとめ:今日のゴールは「完食」じゃない。「食事が楽しかったね」です。

そっか、「食べさせる」ことより、「一緒に楽しむ」ことの方が、ずっと大事なんだね。そう思ったら、すごく気持ちが楽になったな。
食事が、親子の笑顔のコミュニケーションの時間になること。それ以上に大切な栄養素なんて、この世にはありません。
「食べない」という、子どもの「自分」を、どうか尊重してあげてください。その心の余裕が、いつか子どもの「ちょっと、食べてみようかな」という、小さな好奇心の芽を、育んでいくのですから。
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