
また、お友達のおもちゃを取っちゃった…。相手のママの冷たい視線が、心に突き刺さる…。公園に行くのが、もう怖い。私の育て方が、悪いのかな…
その、胃がキリキリと痛むような気持ち、痛いほど分かります。
我が子が誰かを傷つけてしまった時、親は、我が子が傷つけられた時以上に、深く傷つき、自分を責めてしまいますよね。
でも、まず知ってください。それは、あなたの子育ての失敗ではありません。むしろ逆。子どもが、「自分」と「他人」という存在を認識し、社会性を身につけようと、必死にもがいている、尊い成長の証なのです。
この記事は、そんなあなたの罪悪感を、子どもの成長をサポートする「自信」に変えるための、心のコンパスです。
【ベビすけの領土問題】僕が、こぶしで対話しちゃうワケ

そもそも、なぜ子どもは、言葉ではなく、手や口が出てしまうのでしょうか。その複雑な胸中を、当事者であるベビすけ氏に、解説してもらいましょう。

いやー、先輩。この砂場のスコップ、マジでイケてるじゃないスか。僕の魂が『これは俺のもんだ!』って叫んでるんスよ。まだ『そのスコップ、少し貸していただけませんか?』みたいな、高度な外交交渉の言葉、知らないんで。とりあえず、実力行使(パンチ)で僕の所有権を主張してるだけなんスよ。悪気はないんス、マジで!
子ども同士のトラブルの主な原因は、以下の3つの「未熟さ」にあります。
- 所有欲の芽生え vs コミュニケーション能力の未熟さ:「これは僕の!」という強い気持ちはあるのに、「貸して」と言うスキルがない。
- 感情の爆発 vs コントロール能力の未熟さ:「イヤだ!」「欲しい!」という感情が、理性より先に、行動として現れてしまう。
【その場しのぎはNG!】親が絶対やってはいけない、逆効果な対応

- 「ごめんなさいは!?」と、無理やり頭を下げさせる:心が伴わない謝罪は、ただのパフォーマンス。子どもは「謝れば許される」としか学習しません。
- 「あなたもやられたんでしょ!」と、子どものせいにする:親として最もしてはいけない責任転嫁。相手の親との信頼関係も崩壊します。
- 「もう、あの子とは遊んじゃダメ!」と、子どもを遠ざける:子どもが社会性を学ぶ、貴重な機会を親が奪ってしまいます。
【親の“作法”】トラブル発生!その時の、正しい3ステップ

パニックにならず、この3ステップを思い出してください。
Step1:まず、物理的に引き離し、介入する
叩いている手や、噛みついている口を、まずは「ダメだよ」と、静かに、しかし強く制止します。これ以上のエスカレートを防ぎます。
Step2:まず、相手の親と子に、あなたが謝る
これが、最も重要です。
子どもの代わりに、まず親であるあなたが、「本当に、申し訳ありませんでした。〇〇ちゃん、痛かったよね、ごめんね」と、誠心誠意、謝罪します。この姿勢が、相手の親の気持ちを和らげ、無用なトラブルを防ぎます。
Step3:その後、自分の子どもの気持ちを受け止め、教える
その場で長く説教する必要はありません。少し離れた場所に連れて行き、「そっか、あのスコップが使いたかったんだね。でも、お友達を叩くのは、いけないことだよ」と、気持ちには共感し、行動は否定します。
「叩く」「噛む」「貸せない」…ケース別・魔法の言葉がけ
- 叩いた・噛んだ時:「いやだったんだね。でも、おてて(お口)は、叩くためじゃなくて、ナデナデしたり、美味しいものを食べたりするためにあるんだよ」
- おもちゃを貸せない時:「そっか、まだ使いたいんだね。じゃあ、時計の長い針が『6』のところに来たら、お友達に『どうぞ』しようか」と、見通しを立ててあげる。
まとめ:トラブルは、子どもの心が成長する、最高の“栄養”です。

そっか、私がしっかり向き合ってあげれば、この経験も、この子の力になるんだ。もう、公園に行くのも怖くないな。
親にとっては、胃が痛くなるような出来事も、子どもにとっては、痛みを知り、我慢を覚え、社会のルールを学ぶ、かけがえのない実践の場です。
親が、冷静に、一貫した態度で関わり続けること。その誠実な背中を、子どもはちゃんと見ています。焦らず、子どもの成長を信じて、一緒に学んでいきましょう。
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