「同じ年の子より言葉が少ない」「呼びかけに反応しないことがある」。気になることがあれば、次の健診まで一人で待つ必要はありません。かかりつけの小児科や自治体の保健師に、普段の様子を相談できます。
言葉の育ちには個人差があります。ただし、「個人差だから心配ない」「親の語りかけを増やせば解決する」と、この記事だけで判断することはできません。聞こえ方、言葉の理解、身ぶりや遊びなども合わせて確認することが大切です。親の努力不足と決めつけず、困っていることを一緒に整理しましょう。
まず相談したいのは、こんな変化
以前使っていた言葉や、できていた身ぶり・やりとりが減った、できなくなったと感じる場合は、次の健診まで様子を見続けず、小児科に早めに相談してください。呼びかけや生活の音への反応が気になる場合も、聞こえを含めた確認について相談します。
「何語話せれば相談してよい」という条件はありません。言葉が増えない、簡単な言葉が伝わっているか分からない、指さしなどで気持ちを伝える様子が少ないなど、保護者の心配も相談する理由になります。該当することがあっても、特定の病気や障害があると決まるわけではありません。
急に意識や呼吸の異常がある場合は、この記事の発達相談の流れではなく、119への連絡を優先します。
出典:CDC「Milestones by 18 Months」、NIDCD「Speech and Language Developmental Milestones」、厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」。
語数以外に見ておく3つ
話せる単語を毎日数えるだけでなく、次のような場面を分かる範囲で振り返ってみます。これは家庭で診断するテストではありません。わざと大きな音を出したり、答えるまで何度も試したりする必要はありません。
1. 聞こえ・反応:名前を呼んだときや、普段の音にどんな反応をするか。いつも同じなのか、場面によって違うのか。
2. 理解・やりとり:普段の生活で「ちょうだい」などの言葉が伝わるか。指さし、うなずき、物を見せるなど、言葉以外で伝えようとする様子はあるか。
3. これまでとの変化:最近増えた言葉や身ぶりは何か。以前できたことが減っていないか。
例えば「家では車を指さして『ブー』と言います。園ではあまり声が出ないそうです」のように、場面を添えると相談の手がかりになります。数日分の表を完成させてからでなく、気になる一つを伝えるだけでも構いません。
出典:NIDCD「Your Baby’s Hearing & Communicative Development Checklist」。記録例は編集部が作成。

1歳半・2歳の目安は「平均点」ではない
年齢の目安は、相談を始める手がかりです。一定の語数だけで「正常」「異常」を分ける線ではありません。
米国CDCの発達チェックでは、1歳半に「ママ・パパ以外に3語以上を言おうとする」、2歳に「2語以上をつなげて話す」が挙げられています。これはその年齢までに多くの子ども(75%以上)ができる項目として示されたもので、日本の子どもの平均語数でも、診断基準でもありません。
予定日より3週間を超えて早く生まれた場合、CDCのオンラインチェックリストは修正月齢(出産予定日を基準にした月齢)で確認するよう案内しています。目安の見方は、かかりつけの小児科で相談してください。
目安に達していない、以前できたことが減った、ほかに気になることがある場合は医療者に相談する、という使い方です。「3語あれば必ず大丈夫」「1歳半なら50語ないといけない」といった判断は避けましょう。言葉の数だけでなく、理解や聞こえなど全体の様子を確認します。
出典:CDC「Milestones by 18 Months」「Milestones by 2 Years」「18 Month Online Milestone Checklist」、AAP「Corrected Age For Preemies」。
どこに、どう相談する?
最初の相談先は、かかりつけの小児科、住んでいる自治体の保健センター・こども家庭センター等の保健師です。窓口名や予約方法は自治体で異なります。「子どもの言葉の発達について相談したい」と伝えれば、担当の案内を受けられます。聞こえが心配なことも最初に伝えてください。
小児科では、発達全体や聞こえの検査、必要な専門相談について相談できます。出生時の聴覚検査に問題がなかった場合も、その後の聞こえの心配を相談して構いません。
自治体の乳幼児健診も相談できる機会ですが、1歳半健診が最初の相談機会というわけではありません。健診後に新しく気になったことや、相談後も続く不安も改めて伝えられます。
地域の例として、横浜市港北区は「ことばの心配」の資料と、こども家庭支援課の相談先を公開しています。他の地域の方は、お住まいの自治体の窓口を確認してください。
出典:NIDCD「Speech and Language Developmental Milestones」「Your Baby’s Hearing & Communicative Development Checklist」、横浜市港北区「子育てワンポイントアドバイス」、こども家庭庁「こども家庭センター」。
電話や診察で、そのまま使える伝え方
次の空欄を、分かるところだけ埋めて使えます。メモや動画がなくても相談できます。
「子どもは○歳○か月です。○月ごろから、__が気になっています。普段は__という言葉/身ぶりがあります。呼びかけには__という反応です。以前できた__が減った/変化は分かりません。聞こえと発達について、どこで確認すればよいでしょうか」
相談した後は「次はいつ確認するか」「どんな変化があれば、その前に連絡するか」を聞いておくと、漠然と待ち続けずに済みます。園に通っている場合は、家と園での様子が違うか聞いて、その情報も共有できます。これは相談を整理するための編集部作成例です。
家では「たくさん言わせる」より、短いやりとりを楽しむ
家での関わりは、受診や相談の代わりではありません。続けやすい場面で、子どもが見ている物や伝えたいことに応じてみましょう。
– 子どもが車を指さしたら:「車だね」と短く返す。言い直しを何度も求めず、表情や身ぶりにも応じる。
– 子どもが「ワンワン」と言ったら:「ワンワン、いたね」と少し言葉を足す。
– 絵本は最後まで読むことを目標にせず:子どもが見ている絵を一緒に見て、「ねこだね」と話す。
– 遊びでは:ボールを転がし合うなど、順番のあるやりとりを楽しむ。
話しかけ続けて疲れるほど頑張る必要はありません。保護者だけが発達を背負うものでもありません。家族や園、相談先と、今の子どもに合う関わりを考えていきましょう。教材や特定の商品を買うことを、相談より先にする必要はありません。
出典:CDC「Milestones by 18 Months」、横浜市港北区「ことばの心配」。会話例は編集部作成。
今日すること
気になっていることを一つ、相談先へ伝えてみてください。「言葉が少なくて心配です。相談の予約を取りたいです」からで大丈夫です。以前できたことが減った場合や聞こえが心配な場合は、その点も先に伝えましょう。
このページは一般的な情報です。発達や聞こえの状態を診断するものではありません。医療者による監修記事ではなく、公的情報をもとに編集しています。
情報確認日:2026年10月12日。
公式情報
CDC|18か月の発達の目安

CDC|2歳の発達の目安

NIDCD|Speech and Language Developmental Milestones

NIDCD|Your Baby’s Hearing & Communicative Development Checklist
横浜市港北区|子育てワンポイントアドバイス

横浜市港北区|ことばの心配
https://www.city.yokohama.lg.jp/kohoku/kosodate_kyoiku/kosodateshien/kosodateadvice.files/kotoba.pdf
厚生労働省|こんな時は迷わず119へ
こども家庭庁|こども家庭センター

CDC|18か月のオンライン発達チェックリスト
AAP(米国小児科学会)|Corrected Age For Preemies




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