都心の住宅価格高騰で、東京から埼玉への移住を検討する子育て世帯が増えています。内閣府の資料によると、2022年1〜11月に東京都から近郊3県(神奈川・埼玉・千葉)への転出超過は約2.3万人と報告されており、現実的な選択肢として注目されています。
でも実際に住むなら、「給付金が手厚いから東京」「家賃が安いから埼玉」といった単純な比較では決めきれません。医療費助成・保育料・日常の優待・自治体ごとの違いまで、生活全体で見ないと正しい判断ができないからです。
この記事では、東京都と埼玉県の子育て支援を「もらえるお金」「医療・保育」「日常の支援」の3つの軸で徹底比較します。最後まで読めば、あなたの家庭にとってどちらが向いているかが見えてきます。
結論:給付金は東京、住みやすさは埼玉。判断軸は「都心通勤」と「家賃」
細かい比較に入る前に、結論からまとめます。
| 項目 | 東京都 | 埼玉県 |
|---|---|---|
| 月額給付 | 018サポート 月5,000円 | なし |
| 出産時の上乗せ | 赤ちゃんファーストギフト10万円相当 | 市町村独自の上乗せあり |
| 子ども医療費 | 多くの区市町村で18歳まで助成(自己負担なしの区が多い) | 全市町村18歳まで助成(2024年10月〜・自己負担は市町村による) |
| 0〜2歳保育料 | 第1子も無償化対象(2025年9月〜・施設区分や自治体運用に注意) | 非課税世帯・きょうだい区分による軽減 |
| 日常の優待 | 子育て応援とうきょうパスポート+区独自サービス | パパ・ママ応援ショップ(県全域) |
| 家賃水準 | 相対的に高い | 東京より抑えやすい傾向 |
大きく見ると、給付金や保育料の手厚さでは東京、家賃や日常の暮らしやすさでは埼玉に有利な要素が多い傾向です。住宅費も含めて見ると、埼玉の方が家計面で有利になる家庭もあります。どちらを選ぶべきかは、家庭の優先順位次第です。
「東京は給付金で年6万円多い、でも埼玉は家賃が月5万円安い」みたいなパターンだと、1年で見ると埼玉の方が手元に残るお金は多いことがあるよ。総額だけじゃなくて、住宅費と通勤費もセットで考えるのが大事!
もらえるお金で比較|給付金・手当の手厚さ
まずは妊娠から子育てまでに受け取れる現金・ギフト・ポイントなどの支援を比べます。国の制度(全国共通)は除き、東京都・埼玉県の自治体独自の上乗せに絞って整理します。
東京都のお金支援
東京都の支援は、「国の制度」「東京都独自の一時的な支援」「継続的に支給される支援」に分けて捉えると整理しやすくなります。
① 国の制度(全国共通・東京都民も対象)
- 妊婦のための支援給付:合計10万円(1回目5万円+胎児1人あたり5万円)
② 東京都独自の一時的な支援(出産時〜未就学児)
- 赤ちゃんファーストギフト:出産後に10万円相当を東京都が直接支給
- 赤ちゃんファースト+:2026年1月1日〜2027年3月31日生まれが対象期間で、追加3万円相当
- 育児パッケージ・バースデーサポート:区市町村ごとに1〜6万円相当(区によって有無・金額が異なる)
③ 18歳まで継続する支援
- 018サポート:0〜18歳の子ども1人につき月額5,000円(年6万円・所得制限なし)
- 子育て応援+(プラス):物価高対策として、2026年は0〜14歳に11,000円を1回プッシュ支給(年度ごとに実施有無が変わる可能性あり)
このうち ①+②(妊娠〜0歳でもらえる一時金) を合計すると、対象期間や区市町村の上乗せにもよりますが、目安として20万円台〜30万円相当になることが多いです。さらに③の018サポートは18歳まで継続するため、18年間で108万円程度(年6万円×18年)が目安です。ただし、実際の累計額は出生月・転入転出の時期・在住期間によって変わります。
埼玉県のお金支援
埼玉県は県全体での月額給付制度はないかわりに、市町村ごとに独自の上乗せが用意されています。
- 国の妊婦のための支援給付(合計10万円):全市町村で対象。さいたま市では現金またはデジタル地域通貨から選んで受け取れます。デジタル地域通貨を選択した場合に上乗せが付くケースもあり、自治体ごとの運用を確認すると有利になることがあります。
- 物価高対応子育て応援手当(さいたま市):2025年度の国の総合経済対策に基づき、0歳〜高校生年代の子ども1人あたり2万円が支給されました。年度ごとに実施有無や金額が変わるため、最新情報は市の公式サイトで確認しましょう。
- その他、各市町村ごとの独自上乗せ:所沢市・川口市・越谷市・春日部市など、自治体によって金額・対象が異なります。
※ さいたま市の旧「パパママ応援ギフト(出産・子育て応援給付金)」や「子育て世帯応援給付金」は、いずれも受付終了済みの過去制度です。現在は国の「妊婦のための支援給付」に統合される形で運用されています。
埼玉県の場合は「住んでいる市町村次第」で受け取れる金額が変わるため、引っ越し先を絞り込んだら必ず公式サイトで最新の制度を確認しましょう。
お金支援の比較表
| 項目 | 東京都 | 埼玉県(さいたま市の例) |
|---|---|---|
| 国の妊婦支援給付 | 10万円 | 10万円 |
| 都・県独自の出産時ギフト | 10万円相当(赤ちゃんファースト) | なし(市町村単位) |
| 赤ちゃんファースト+ | 3万円相当(対象期間中) | ― |
| 市町村の独自ギフト・上乗せ | 1〜6万円相当(区市町村による) | 市町村による |
| 妊娠〜0歳の一時金合計 | 目安 20万円台〜30万円相当 | 市町村による |
| 0〜18歳の月額給付 | 月5,000円(018サポート) | なし |
※2026年度の制度に基づきます。最新情報は各自治体公式サイトでご確認ください。
018サポートは18歳まで続くから、累計だと1人あたり108万円程度(年6万円×18年)が目安。実際の額は出生月・転入転出・在住期間で変わるけど、兄弟が増えると差がどんどん広がるのがポイントだよ!
医療と保育で比較|日々の安心と負担
給付金は一時的なお金ですが、医療費や保育料は毎月の家計に直結するもの。むしろこちらの方が長期的なインパクトは大きいかもしれません。
子ども医療費助成
子ども医療費助成は2024年10月から大きく変わりました。埼玉県は全市町村で対象年齢が18歳年度末まで拡大し、東京都とほぼ並んでいます。
| 項目 | 東京都 | 埼玉県 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 多くの区市町村で18歳年度末まで | 全市町村で18歳年度末まで(2024年10月〜) |
| 所得制限 | 多くの区でなし | 市町村による |
| 自己負担 | 多くの区で無料 | 市町村による(無料 or 一部負担) |
東京都は23区を中心に「自己負担なし」の自治体が多く、埼玉県は「18歳まで助成だが、自治体によって自己負担の運用が異なる」のが実情です。日々の通院頻度が高い乳幼児期は、医療費の運用差が家計に効いてきます。
保育料
3〜5歳の保育料は、東京都・埼玉県ともに国の幼児教育・保育の無償化により基本無料です。違いが出るのは0〜2歳児クラスの保育料です。
| 項目 | 東京都 | 埼玉県 |
|---|---|---|
| 3〜5歳児 | 無償(国の制度) | 無償(国の制度) |
| 0〜2歳児(第1子) | 2025年9月から無償化対象(対象施設・補助上限は自治体や施設区分により確認が必要) | 非課税世帯のみ無償 |
| 0〜2歳児(第2子以降) | 無償(自治体・施設区分により確認が必要) | 多子世帯軽減あり(市町村による) |
共働きで保育園利用予定の家庭にとって、東京都の「0〜2歳第1子も無償化対象」は大きなインパクトです。0〜2歳の3年間で見ると、家計に与える差は数十万円規模になる可能性があります。ただし、対象施設・所得区分・補助上限などは自治体や施設の種類によって運用が異なるため、入園を検討する自治体の公式情報を必ず確認しましょう。
日常の支援で比較|優待カード・サービス・施設
給付金や保育料以外にも、日常生活で「子育て家庭をサポートする仕組み」が両都県にあります。
埼玉県の優待制度:パパ・ママ応援ショップ
埼玉県にはパパ・ママ応援ショップという制度があり、県内の協賛店で割引やポイント優遇などのサービスを受けられます。
- 対象:18歳到達後最初の3月31日までの子どもがいる世帯、または妊娠中の方
- 使い方:LINE版優待カード(2025年4月から開始)または紙の優待カード
- 対象店舗:埼玉県内の協賛店、および全国共通コソダテマーク掲示店
- 祖父母も対象:日ごろ子育てを支援してくれる祖父母も利用可能
東京都にも「子育て応援とうきょうパスポート」があり、都内の協賛店で割引・特典などのサービスを受けられます。埼玉県のパパ・ママ応援ショップと同様に、子育て世帯向けの優待カード型サービスとして比較される制度です。それぞれ協賛店舗のラインナップや受けられるサービスが異なるため、よく使うエリアの加盟店を事前にチェックしておくと活用しやすくなります。
東京都の強み:区独自の手厚いサービス
東京都は、財政力のある区が独自のサービスを充実させているのが特徴です。
- 赤ちゃん・ふらっと:おむつ替え・授乳スペースが都内各所に整備
- ベビーシッター利用支援事業:一部の区で利用助成あり
- 多子世帯支援:第3子以降への特別な給付(区による)
区によって受けられるサービスが大きく異なるため、引っ越しを検討するときは住みたい区の公式サイトを確認しましょう。
住みやすさで比較|家賃・通勤・住環境
制度の比較だけでは「実際の生活コスト」は見えません。住宅費・通勤時間・住環境のリアルな違いをまとめます。
家賃水準の比較
東京都と埼玉県を比べると、埼玉県の方が家賃を抑えやすい傾向があります。同じ広さ・築年数の物件でも、東京都心部の家賃は埼玉の主要駅エリアと比べて高くなることが一般的です。
たとえば、3LDKの賃貸物件の家賃相場目安は次のようなイメージです(あくまで参考値)。
| エリア | 3LDK家賃相場の目安 |
|---|---|
| 東京23区中央部 | 20万円〜 |
| 東京23区周辺部・多摩 | 13〜18万円 |
| 埼玉・川口・さいたま市など | 10〜14万円 |
| 埼玉・川越・所沢など | 8〜12万円 |
※ 上記はあくまで一般的な目安です。駅からの距離・築年数・物件の設備・調査時期によって相場は大きく変動するため、最新の家賃情報は不動産ポータルサイトで確認してください。
埼玉県でも東京の通勤圏に位置する駅周辺は家賃が上昇傾向にありますが、同じ予算で広い住居に住めるケースが多いのは大きな魅力です。
通勤時間と利便性
埼玉県南部(川口・さいたま・草加・越谷など)は、東京都心まで電車で30〜45分程度でアクセスできます。湘南新宿ライン・京浜東北線・武蔵野線・東武スカイツリーラインなど、通勤路線が充実しているのも強みです。
一方で、通勤時間が長くなるほど夕方の保育園お迎えや子どもとの時間が圧迫されるのは事実。「家賃の安さ」と「通勤時間」のバランスは慎重に検討しましょう。
「通勤時間が15分長くなると、既婚女性の有業率が5%下がる」って研究結果もあるよ(内閣府)。共働き世帯にとって、通勤時間は給付金より重要になることもあるからね。
埼玉県の子育て人気エリア|どこに住むのがいい?
東京から埼玉に移住するなら、子育て世帯に人気のエリアから検討するのが安心です。子育て支援の充実度・通勤利便性・住みやすさの3拍子が揃った主要エリアをまとめます。
さいたま市(大宮・浦和・武蔵浦和)
- 埼玉県の中心都市で、商業・教育・医療すべて揃う
- 妊婦支援給付のデジタル地域通貨上乗せや、年度ごとの子育て応援手当などを実施
- 都心まで30〜35分とアクセス良好
川口市
- 東京都北区と隣接、京浜東北線で都心まで20〜30分
- 子育て世帯向け中古マンションの選択肢が豊富
- 近年は再開発が進み、駅前の利便性が高い
所沢市・新所沢
- 西武新宿線・池袋線で都心まで30〜45分
- 緑が多く、公園も充実
- 落ち着いた住環境を重視する家庭に人気
越谷市・越谷レイクタウン
- 日本最大級のショッピングモール「イオンレイクタウン」
- 武蔵野線・東武スカイツリーラインで都心アクセス
- 湖や公園など子どもとの外遊び環境が良い
和光市
- 東京メトロ有楽町線・副都心線直通で都心アクセスが抜群
- 子育て世帯の流入が続いており、保育・教育環境が整備中
- 東京都練馬区に隣接、家賃は練馬より安い
東京と埼玉、どちらを選ぶべき?判断フレーム
どちらが自分の家庭に合っているかは、優先順位で決まります。以下のチェックリストで整理してみましょう。
東京を選ぶべき家庭
- □ 子どもの月額給付(018サポート)を重視したい
- □ 0〜2歳の保育園利用を予定している(第1子無償化が大きい)
- □ 都心通勤が30分以内に収まる必要がある
- □ 家賃よりも医療・保育の手厚さを優先したい
- □ 共働きでベビーシッターや家事代行を頻繁に使う
埼玉を選ぶべき家庭
- □ 同じ家賃で広い家・庭付き戸建てに住みたい
- □ 通勤時間より住宅環境を優先したい
- □ パパ・ママ応援ショップなど日常の優待を活用したい
- □ 子どもの遊び場(公園・自然)を重視している
- □ 都心まで45分程度の通勤に抵抗がない
どっちにもメリットがあるから、「最終的に何を一番大事にしたいか」で決めるのが正解!夫婦で優先順位を話し合うのがおすすめだよ。
よくある質問(FAQ)
Q1. 東京から埼玉に引っ越したら018サポートはどうなりますか?
埼玉に転居した後は東京都の018サポートの支給対象外になります。原則として各月1日時点の在住状況で判定されるため、東京都内に住所がない月は支給されません。妊娠中や子育て中の引っ越しは、タイミングを慎重に考えましょう。
Q2. 埼玉県のパパ・ママ応援ショップは、東京都でも使えますか?
全国共通コソダテマーク掲示店であれば、東京都内の協賛店でも利用できます。ただし利用条件は各都道府県のルールに従うため、事前に各店舗で確認するのが安心です。
Q3. 埼玉県内で子育て支援が一番手厚い市は?
市町村ごとに独自施策が異なるため、一概には言えません。さいたま市・川口市・所沢市・越谷市などが独自の応援ギフトや支援を充実させています。引っ越し候補が絞れたら、各市公式サイトで最新の支援制度を確認しましょう。
Q4. 共働き家庭はどちらに住むのが有利ですか?
共働きで保育園利用予定なら、0〜2歳第1子も無償化対象になった東京都が有利になりやすい傾向です。ただし、対象施設や所得区分は自治体運用によって異なります。さらに都心通勤時間と家賃を考慮すると埼玉も選択肢になります。「保育料の差」と「家賃の差」を年単位で計算して比較するのがおすすめです。
Q5. 児童手当は東京と埼玉で違いますか?
児童手当は国の制度のため、東京・埼玉どちらに住んでも金額は同じです。0〜3歳未満は月15,000円、3歳〜高校生年代は月10,000円(第3子以降は30,000円)が支給されます。
Q6. 引っ越しで損しないコツは?
妊娠中に引っ越す場合は、妊婦給付金の1回目・2回目をどちらの自治体で受け取るかを確認しましょう。引っ越し後に2回目を新住所地で申請するケースが多く、転入届の提出と一緒に給付金窓口にも相談するのが確実です。
まとめ|あなたに合うのは東京?埼玉?
東京都と埼玉県の子育て支援を比較してきました。最後にポイントを整理します。
- 給付金の手厚さでは東京都が手厚い傾向(018サポート・赤ちゃんファースト等)
- 保育料は0〜2歳第1子も無償化の対象になった東京都が有利になりやすい(施設区分・自治体運用に注意)
- 子ども医療費は2024年10月以降、両都県とも18歳まで助成(自己負担の運用に差あり)
- 日常の優待制度は東京の「子育て応援とうきょうパスポート」と埼玉の「パパ・ママ応援ショップ」が比較対象
- 住みやすさ・家賃は埼玉県の方が抑えやすい傾向。住宅費を含めれば埼玉が有利になる家庭もあります
- 選び方の決め手は「都心通勤の必要性」と「住居の広さ」のバランス
「給付金が多い方を選ぶ」のではなく、給付金・保育料・家賃・通勤時間を年単位で計算することが大切です。家族会議の参考になれば嬉しいです。
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💴 子育て支援制度の基礎
※免責事項
本記事は2026年5月時点の東京都・埼玉県および各市町村の公式情報をもとに作成しています。制度は年度ごとに変更されることがあります。引っ越しや申請の前に必ず、住んでいる市区町村および移住先の自治体の公式サイトでご確認ください。
※主な参考サイト:東京都「018サポート」公式、東京都福祉局、埼玉県「パパ・ママ応援ショップ」、さいたま市子育て支援



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